「おはよう、松本」

「おはようございま…って、隊長今日非番じゃなかったんですか?」



今日、12月20日は俺の誕生日だ。
しかし、半強制的に松本に休みにされ、休みで来るはずのない自分の上司の姿に
びっくりした松本は、手にしていた大福を思わず落とそうとしていた。



「お前が誕生日だからって半強制的に休みになってるがな。いや、ちょっと用があってよ」
「用ですか?」
「ああ。今日お前も午後から非番にしてあるから」
「えっ!?なんでいきなり?」
「どうせお前の事だ、俺の誕生日の準備だなんだで、仕事サボるだろうからな。
だから前もって非番にしたんだよ」
「そうなんですか…」



俺の急な言葉にキョトンとし、少し考えた松本は、パッと明るい表情になる。
きっとどこかに出かけようなんて言うだろうと予想がつく。



「なら隊長!午後からどこか出掛けましょうよ♪」
「いや、お前には一緒に来てもらいてー場所があるんだ」
「え?どこですか?」



急な俺からの誘いと、自分の案が却下されたことに少しうなだれる松本。
予想通りの言葉と反応が面白くて、心の中で笑ってしまう。
本当に見てて飽きない奴だ。
そんなところが意外に可愛い・・・



「お前に来てもらいてー場所は西流魂街だ」
「え…?西って…確か隊長の…」
「俺の実家だ」
「えっ!?なんでまたっ」
「今日俺の誕生日だろ?誕生日ってのは自分を産んでくれた親に感謝する日だ。
しかし俺達みたいに流魂街出身の奴らは産みの親を知らない。
だから俺達は産みの親ではなく、育ての親に感謝するんだ。
だからばあちゃんの所に行くんだよ」
「なんか隊長らしいですね」



柄にも無いことを言って、自分で言って恥ずかしくなったが、
そんな俺を松本が優しく微笑んでいた。その笑顔が見れてだけで良しとするか・・・



「いつまでもドアの前で話すのもアレなんで・・・」と松本が奥へすすめる。
だが、休みなのだからソファーに座れば良いのだが、
思わずいつものクセで、俺は隊長椅子に座る。



「で?何故あたしも行くんですか?」



先ほどの質問の答えを、俺好みの濃いお茶を淹れて持って来た松本が問う。
聞かれると分かっていたが、少々恥ずかしいもので、ワザと咳払いをしてみる。



「…ん
………ばあちゃんにお前を紹介したいんだよ」



俺にお茶を渡そうとした松本の手が止まる。
顔が火照るのを自分でも分かるぐらい熱い。
松本の顔も真っ赤だ。それと同じぐらいきっと俺の顔も真っ赤だろう
お互いの目線が絡むほど見詰め合った。
かなりの時間がたったように感じるぐらいに・・・



「えっ///」
「お前には感謝してるんだ。俺に家族を護る力を、迷っていた俺の背中を押してくれた。
全てがお前のおかげだから…」
「隊長……」
「だから、ばあちゃんにお前を紹介したいんだ。
ばあちゃんに、今の俺の生き様と部下で副官で、俺の大事な女のお前をな・・・」



あまりの恥ずかしさに声が小さくなってしまう。
しかし、それでもちゃんと松本の耳には届いたらしく、
松本が勢い良く俺の横から抱きついてきた。
・・・苦しい



「たいちょ〜vv」
「わっ///分かったならその机の上の書類をさっさと片付けろ!
………昼にまた迎えに来るから…///」
「えっ!せっかく隊長のご家族に会うのにこの格好でですか?!」
「恥じる格好じゃねー。胸をはって行け」
「え〜ヤダヤダ!やっぱりきちんとしたいです!こんな時の為に買った振り袖もあるんですから!」
「あ〜〜分かったよ!なら昼にお前の部屋まで迎えに行くから」



何だかんだで、俺は松本に甘いと思う。そうさせてしまうのも松本だからだろう。
それに、「何着ていこうか」「あれはどうか」「あれは派手すぎないか」などと悩む松本に、
はぁ、と大きなため息をつきながらも、とても嬉しそうに笑ってしまうのだからな・・・



「じゃあ、また後でな」
「ハイ!」



きっと午前中の仕事もサボるだろうなと心の中で思いながらも、
それが自分の為だと思うと、なんだかくすぐったい気分になるのだった。





















俺を受け入れてくれたばあちゃんと雛森。

でも2人以外は俺を避けていた。「氷のようだ」と言って…



しかし、あの日、アイツ…松本と出会った時、俺は初めてだったんだ…人から「庇われた」事が。
俺の外見ではなく、俺を怖がらずに、俺に話かけてきた松本。


でも俺は戸惑って逃げてしまった。初めてでガキだったから、どうしていいのか分からなかった。


だけどその夜の松本の言葉は、俺の心の中にある空洞を埋め尽くしてくれるようだった。



俺を導いてくれた松本。


そう…松本が俺の全てなんだ…




だから俺はもっともっと強くなる。護る強さをくれた松本を、俺の全てをかけて護る為に。















おまけ


日番谷が祖母に乱菊を紹介した翌年、
年が明けても仕事が忙しくなかなか折り合いがつかづ、
1月の末にやっと休みが取れた日番谷は、遅い新年の挨拶をしに西流魂街にある実家に帰った。







「遅くなっちまったが…明けましておめでとう、ばあちゃん」
「明けましておめでとう、冬獅郎」


しかし、新年の挨拶をする日番谷の前には、前見た祖母の姿はなく、
目の前に居るのは見事に丸くなった祖母の姿であった。


「ばあちゃん…太ったな…」
「やっぱりそう思うかい?いやね、去年に冬獅郎が連れてきた松本さんと
冬獅郎のお婿さん姿を見るために、長生きしようと最近沢山食べてるんだよ」
「なっ…!そうかよ…///」


どうやら幸せ太りらしい


そんな祖母の姿を見て、頬を赤らめながらもホッと心が休まるのを感じる日番谷なのだった。







END







改めて!隊長ハピバ!
すみません・・・これ、本当は去年に書いた小説です(滝汗)
なので、話が古いです(;´Д`)
しかも、なんか長すぎてうまくまとまってませんがoTZ
とりあえずばあちゃんを安心させたい隊長と乱菊姉さんに感謝する隊長を書きたかったんですわw
でも隊長の誕生日なのに、隊長が他の人に感謝してる(笑)
あっでも誕生日ってそんなもんだよね?(聞くな)人間1人でデカくなるんじゃないんだよ!
なんてね(笑)




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